●群馬県やま・さと応縁隊活動調査について
「やま・さと応縁隊」は大学生の若い力を借りて、高齢化や人口減少等の問題を抱える中山間地域の活力を生み出すため、群馬県農政課が県内の大学等に委託し実施している活動調査です。
アグリビジネス研究室は、令和3年度からこの活動に参画しており、これまで群馬県西部地域(特に高崎市・安中市)を主な対象地域として、果樹産地活性化に向けた活動を実施してきました。
特に、現地における活動を重視し、果物離れの進む若年層へのPR動画とチラシの作成や、ウメ収穫作業のための未熟練者用マニュアル動画の制作などを、対象地域の生産者と協力しながら進めています。
※「群馬県やま・さと応縁隊活動調査」事業については、こちらをご覧ください(外部リンク)
●ゆみまるの特徴
「ゆみまる(品種登録名「群馬U6号」)」は、群馬県農業技術センターが育成し、平成30年度から県内各地で栽培がスタートした新しいウメです。
「ゆ」・・・豊かに
「み」・・・実がなる
「まる」・・丸くてマルチなウメ
1.群馬県主要品種である「白加賀」の受粉樹に向く
2.結実が安定していて(自家結実性)、豊産性
3.果実と種子がまるい形をしている
4.梅干しなどの加工に向く
※「ゆみまる」は「群馬U6号」の商標登録名です
出典:群馬県報道提供資料「群馬県が育成した新たなウメ「ゆみまる」が初出荷されます」,2024年5月20日(外部リンク)
●群馬県育成ウメ「ゆみまる」を使った活動
私たちは、群馬県が育成した新たなウメ「ゆみまる」を活用して様々な活動を行っています。

①ウメの収穫体験:
令和7年度は、群馬県農業技術センターへ訪問し、ゆみまるの収穫体験を行いました。自分たちで実際に収穫体験を行うことで、収穫の喜びと共に農業の大変さとやりがいを感じることができました。作業中にはセンターの方々と直接お話しする機会もあり、地域農業にかける想いや地域が直面する課題など、教科書では学べない貴重なお話を伺うことができました。

②ウメの加工・試作:
収穫したウメを使って、青梅はシロップ、梅干し、カリカリ梅に、中熟梅はジャムとシロップに1次加工を行いました。これらの加工品を使用し、梅サイダーや梅しらたまなどの商品を試作し、見た目や味にもこだわりました。素材の活かし方や他の食材との組み合わせを工夫しながら、試行錯誤を重ね、納得のいく商品づくりを目指しました。

③試食・意見交換会の開催:
群馬県の関係者や企業の皆さまにご協力いただき、自分たちのウメ加工試作品を試食し、意見交換する会を開催しました。実際の商品開発の現場や市場流通の視点からのアドバイスをいただき、新たな気づきや今後の研究の方向性を見直すきっかけとなりました。

④マニュアル動画の作成:
県西部のウメ産地が今後も維持・発展のためには、労働力不足の解消が一つの大きな課題です。そこで、繁忙期の労働力確保に役立てるため、ウメのほ場作業に習熟していない作業者(ボランティアや短期アルバイト)向けの作業マニュアル動画を作成しました。
具体的には、作業時の注意点や服装や道具の使い方についてまとめた動画で、以下のリンク(YouTube)から視聴いただけます。作成した動画は、農業に従事されている方々に実際に役立てていただけるよう、今後、生産現場への周知・展開を進めて行く予定です。