農学部 生物生産学科 アグリビジネスコース

農学部 生物生産学科

アグリビジネスコース

アグリビジネスコースについて

私たちアグリビジネスはフェイルセーフな社会の実現を目指しています

地球温暖化の影響で自然による猛威が以前よりも強力になったことを思い知らされる昨今ですが、実際に被害も大きくなっています。防災・減災の備えが大切であることに変わりはありませんが、被害の甚大化にともなって、災害からうまく逃げる方法を確保することが、以前よりも重要になっています。

気候変動と関わりの深い食料の供給も同様です。例えば、今般のコメ騒動を例に挙げると、今回のような騒動を繰り返さないためには、①大幅な減収を生じさせないための対策(防災・減災)は言うまでもなく重要ですが、それだけでは不十分で、②大幅な減収が生じた場合、価格が急騰しないように「うまく逃げる方法を確保しておく」必要があります。農学部では、①の対策は生命科学、作物園芸システム、フードサイエンスの自然科学分野が、②の対策はアグリビジネスの社会科学分野がそれぞれ担当して、補完・協力しながら解決すべき課題です。

このように、アグリビジネスはソフトウェア的に国土強靱化に資することが可能ですが、②のような、大幅な減収でも価格が急騰しないような都合のよい対策があるのかと疑問に思うかも知れません。しかし、日本には、かつて食肉などでそれを実施していた経緯があります。現在、その方法は通商規律という貿易ルールで実施が難しくなっていますが、それに代わってすぐにできる対策と中期を見据えた対策が、それぞれ提案可能です。

事故が起きると甚大な被害を出してしまう航空機などの設計にフェイルセーフという考え方がありますが、周知のように「機器の誤作動やパイロットの誤操作は起こってしまうものだ」という前提に立って安全性を確保するためのしくみです。ここで「うまく逃げる」というのは、こうしたリスクに備えた better safe than sorry の発想によるしくみを意味しています。

地方大学には地域の産業を活発化して地方を活性化するという地方大学なりの役割があります。しかし、やみくもに地域と連携すればよいというのでは「大学的」ではなく、学生の学びも半減してしまいます。どうすればよいか、方法も未知の未解決な課題に対して、理論は方向性を与えてくれる道しるべになります。ただし、理論の見通しの下で実践を重ねて成果に結びつけるためには、ロールプレイング・ゲームのように、実践を意識した「使える理論」を習得して、理論の適用によるメリットやデメリットをイメージできることが重要です。理論を実践に活かせるかどうかはこの点にかかっていて、アグリビジネスには豊富な知識や経験と実績があります。

日々、こんなことをしていると学生も教員も大忙しですが、フェイルセーフ機構を内部に取り込んだ社会は差別などに対抗可能な寛容な社会でもあるはずです。私たちアグリビジネスは、学生も教員も一体となってフェイルセーフな社会の実現を目指します。

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演習の様子

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研究室の様子

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フィールド活動①

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フィールド活動②