生命科学コース 生命工学研究室

農学部・大学院農学研究科

生命科学コース・教育研究分野

生命工学研究室

生命工学研究室について

昆虫の生理・発生、特に変態についてカイコを材料に研究を行なっています。昆虫変態のメカニズム、昆虫ホルモンの働きを、変態時に発現する様々な遺伝子の解析を行うことにより明らかにしていきます。
 また当研究室では、遺伝子組換えカイコを使った物質生産の研究を行っています。カイコの優れた性質を利用し、カイコの繭や体内でワクチン原料を生産する試みを行っています。
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1. 変態するカイコ

昆虫の変態は徐々に進行します。最終齢になり幼若ホルモンが消失すると、成虫器官は細胞分裂を盛んに行います。成虫になるための栄養とエネルギーが確保されると、蛹という入れ物を形成し、その中でゆっくり成虫の器官を作り上げていきます。変態は一瞬の出来事ではないのです。
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2.培養中の翅原基

研究材料には、翅の元になる翅原基を使っています。翅原基を体外に取り出し培養することで、ホルモンなどの影響を直接調べることができます。写真は、翅原器の中で将来翅脈になる(白く伸び出している部分)気管支束が脱皮ホルモンに反応して伸長していく様子を示しています。

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3.蛍光を目印にした遺伝子組換えカイコ卵の選抜

遺伝子組換えカイコには、遺伝子が組み換わったことを示す目印として、蛍光タンパク質遺伝子(光る遺伝子)を組み込んでいます。写真の矢じりの部分はカイコの目で発現した赤色の蛍光タンパク質で、このカイコの卵が遺伝子組換えカイコであることを示しています。

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4.大腸菌を使った組換え遺伝子の作製

遺伝子組換えカイコを作る前段階として、大腸菌を使った遺伝子組換えを行います。写真は、遺伝子組換えにより緑と赤の蛍光タンパク質を発現するようになった大腸菌です。大腸菌の遺伝子組換えは研究自体ではないですが、当研究室ではこのような基本的な遺伝子組換え技術を学ぶことができます。